参議院の独自性


我が国は憲法において議会を二院制とし、互いに異なった選挙制度を用いることで、多角的な民意を反映すると共に、参議院が衆議院のチェック機関となり、政治の公平性、透明性を高めることを規定しています。それ故に参議院は「良識の府」「再考の府」とも呼ばれるのです。しかし、政党政治が強まるにつれ、衆議院の決定を追認するだけの参議院に対し「衆議院のカーボンコピー」と揶揄され、時に参議院不要論が強まるようになりました。こういった手厳しい批判に対し、参議院は与野党の垣根を越え、いかに改革を行えば、参議院の独自性を発揮できるかを常に話し合ってきました。

そんな中、議院運営委員会のメンバーも参議院のあり方を考えるべく、平成13年8月、私が議院運営委員長として訪問団を結成し、オーストラリア議会、ニュージーランド議会を公式訪問し、両国議会の取り組みを学んで参りました。特に両国とも熱心に取り組んでいたのが、子供たちの政治への関心を高めるというものでした。そのため、両国議会共に子供の傍聴を積極的に受け入れると共に、オーストラリア議会にあっては、政治の重要性や議会の仕組みを学ぶことのできる教育プログラムを組み、模擬議場を作って、子供たち自らが模擬議会を体験できる制度を実施していました。

これまで子供たちの本会議の傍聴を制限していた我が国において、私たちにはまさに目から鱗の思いでした。また子供国会をそれまでに2度開催してきた参議院においても模擬議会の常設までは思いが至らず、この両国訪問の意義を高く受け止め、帰国後、早速、実施へと着手しました。1つはそれまで制限していた小学生の本会議の傍聴を10歳以上の子供たちにまで広げること。そしてもう1つが参議院特別体験プログラムの導入です。模擬議場を常設し、子供たちが議員となって模擬議会を体験できるこの制度は、平成14年4月よりの実施以来、好評を博し、3年で10万人を越える子供たちが学んでいかれたということです。近い将来、この子供たちの中から、世界をリードする大政治家が生まれることも夢ではないかもしれませんね。